《年々短くなる傾向にある日本人の睡眠時間》
日本人の睡眠時間の2010年の調査結果を見ると、平均睡眠時間は7時間14分でした。
これは1960年と比べると、1時間以上も短くなっています。
必要な睡眠時間は人によって異なるうえ、加齢とともに短くなる傾向がありますが、日本人の睡眠時間は、先進国の中では最も短くなっています。
《睡眠と健康》
睡眠には、脳を休めて回復させるという働きがあります。
また、情報を選別し、記憶として定着させる働きのほか、体の成長や修復に関わる「成長ホルモンの」分泌にも関係しています。
そのため、睡眠が不足すると、さまざまな病気を引き起こしやすくなります。
例えば、睡眠が不足すると、食欲と関係するホルモンの分泌が変化したり、インスリンの働きが悪くなったりするため、肥満や糖尿病などの生活習慣病おこしやすくなります。
不眠症があると、将来的にうつ病になるリスクが高くなることも知られています。
また、アルツハイマー病の患者さんの脳内には、老廃物が大量に蓄積していることが知られていますが、睡眠の量が不足したり質が低下したりすると、この老廃物の脳内への蓄積が促進されるとの報告もあります。
さらに睡眠によって、この老廃物の排出が進むことが、別の実験からわかってきました。
《不眠症とは・・・?》
睡眠の悩みは、3つに大別されます。
①仕事などが忙しくて十分な睡眠時間がとれない『睡眠不足』
②寝る時間や起きる時間がバラバラで、日中に眠気が残る『リズム障害』
③眠れる状況はあっても、よく眠れないという『不眠症などの睡眠の障害に関係するもの』です。
日本人の場合、約10人に1人の割合で不眠症のある人がいるといわれています。
「眠れる状況はあっても眠れない」ことに加えて、「眠気のために、日常の活動に支障がある」といった状態が通常1ヶ月以上続くと、【不眠症】と診断されます。
不眠症は、次の4つのタイプに分けられます。
◆入眠障害・・・寝床に就いて眠ろうとしてもなかなか寝つけない。
◆中途覚醒・・・寝ている間に何度も目が覚めてしまう。
◆早期覚醒・・・朝、望ましい起床時刻よりも早く起きてしまい、その後眠れない。
◆熟眠障害・・・十分な睡眠時間を確保しても、熟眠感がない。
これらの症状を複数併せ持つ患者さんも見られます。
(今日の健康 2014年 1月号 参照)
鍼灸治療について
頭の興奮を抑えて、睡眠の質&量を向上させるようなツボを使って治療をしていきます。