筋・筋膜痛について

筋・筋膜痛とは、『慢性の筋肉のこり』のことです。

筋肉のあるところなら、脚に限らず、頭・肩・おなか・胸・腰など、どこにでも発症します。

ただし、筋肉のこりがあると、必ず痛みが起こるというわけではありません。

「筋肉のこり」というと、大したことではないように思う人も多いかもしれません。

確かに、きつい運動後などに起こる急性の筋肉のこり(いわゆる筋肉痛)は、ほうっておいても数日で自然に治ってしまいます。

しかし、筋肉のこりには、何週間・何ヶ月、時には何年も続く慢性のこりがあります。

これが『筋・筋膜痛』です。

例えば、調べても原因が見つからないのに、長期にわたって続く頭痛・肩こり・腰痛などは、筋・筋膜痛の可能性があると考えられます。

筋・筋膜痛は、筋肉と筋肉を包む筋膜の異常なので、画像検査や血液検査などを行っても、目に見える形での異常はみられません。

また、筋・筋膜痛という病気自体が、まだ広く一般に認識されていないということもあります。

そのため、筋・筋膜痛があっても見過ごされることが多く、神経痛や椎間板ヘルニアなどと間違って診断されるケースも少なくありません。

筋・筋膜痛の場合、筋肉の中に硬いしこりがあり、押すと強い痛みを感じるのが特徴です。

一方、神経痛の場合は、神経の経路に沿ってビリビリした痛みが起こるのが特徴で、しびれや感覚障害を伴います。

そのため、見分けはつきやすいと言えますが、梨状筋症候群のように、筋肉が坐骨神経を圧迫している場合は、神経痛のような症状が現れるので、注意が必要です。

筋・筋膜痛の原因や、発症のメカニズムについては、よくわかっていません。

ただ、筋・筋膜痛があると、「筋肉が疲労しやすい」「筋肉が硬くなって収縮している」といった特徴がみられることから、その発症には運動不足や睡眠不足・悪い姿勢・歩き方の癖・心理的なストレスといった生活習慣が深く関わっていることが指摘されています。

(今日の健康 2012年 9月号 参照)

鍼灸治療について

筋肉の中にある硬いしこりを狙って、はりやお灸をします。

鍼灸治療が、比較的効果を発揮しやすい症状と言えますネ。

しかし、自分で予防をしないと、またすぐに硬いこりができてしまいます。

定期的な鍼灸治療を受けながら、日頃のメンテナンスもしっかりと行って下さい。